tkm2261's blog

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米国(州立)大学の授業運用について書いてみる

おひさしぶりです。tkmです。

90日更新内容広告が出てしまったので、今回は学部生の授業で採点係をやった経験をもとに、米国大学の授業の運営について諸々書いていきたいと思います。

私は今回採点係でしたが、指導教員の授業なのと指導教員が来年TAやって欲しいからとTAと同等以上のタスクをこなしたので学期通しての一連の流れは把握しています。

採点係(Reader)とTA

採点係の呼び方は大学によってまちまちですが、UCIではReaderという呼び方をします。(Greaderと呼ぶところも)

履修人数が50人を超えると50人毎にTAか採点係をつけることが出来ます。50人を下回る大学院の授業なんかはLecturer(教授)が全部やらないと行けないので結構大変です。

今回私が担当した授業は130人履修で、2TA+1Readerの体制で捌きました。↑の計算式より一人多いですが昨年実績で割当が決まるのでこの体制でした。

TAをやるには学内英語試験突破 or TOEFL iBT Speaking 26点以上が必要なので、Ph.D.留学生の最初の学期は大体が採点係をやることになります。

TAとReaderの業務の差異としては、一応Readerは学生と対面する業務(Office hour、演習授業の実施、代打授業など)は出来ずにまさに採点要員となります。

ただ運用自体はLecturerに任されており、私の場合はOffice hourの実施、試験&宿題問題作成、1コマ代打授業、LecturerのOffice hour代打などほぼTAと同様以上の業務になりました。

給料はTAのほうがもちろん高給ですが、PhD学生の場合、入学時に給与が決まっているので差はでません。ただ採点係は時給制なので2週間毎にタイムシートの提出が義務付けられていたり、労働時間が保証給料額に届かない場合は補填を申請したり少し面倒があります。

修士学生がTAをやると授業料半額免除+1学期$7,000が貰えるそうです。Readerは基本PhD学生で埋まるので詳細は知りません。

TAも基本はPhD学生優先ですが、今期に限っては中国人にビザが降りない問題で人手不足らしく修士の人もTAは比較的できたようです。

またReaderの給料はDepartmentが出していて、TAの給料はSchoolが出しており、Departmentとしては一刻も早くReaderからTAになって欲しいという事情もあります。

補足: GSR (Graduate Student Researcher)

少し横道にそれますが、PhD学生の給料はTAとReaderをやる以外に指導教員が給料を払うというGSRというオプションがあります。日本でいうRAです。

後述しますが、TAとReaderの業務量はかなり多いので研究にかなり支障があります。

幸いにしてウチのCS学部はお金持ちでかなりの学生がGSRで雇用されています。ただ卒業要件にTAもしくはReaderを最低2 quartersとあるので、やらずに卒業という事は出来ません。

聞いた話によるとComputer Engineering学部はお金がなく、PhD学生もずっとTAをやらないと行けないという話を聞きました。普段学位名を気にすることはありませんが、お金の有無には影響しそうです。

タイムライン

Quarter前: 履修登録

Webシステム上から履修登録をします。大体学期の1ヶ月前から履修登録が出来るようになり、学期が始まった最初の2週間は自由に履修の登録・取下げをすることが出来ます。

人気授業の場合は枠が埋まったあとに、Waiting listが開設されて、この2週間の間誰かが履修を取下げてくれることを祈りながら待ちます。

この間に私も「今期TAかReaderをやりたい」というのをシステムに登録します。

Week 0-1: Kickoff meeting & 宿題①問題作成

Lecturer, TA, Readerでキックオフを行います。タスクの割当やSlackの開設をしたりしますが、これも授業によってまちまちです。

最初のタスクとしては、演習授業の担当割当と最初の宿題の問題作成です。

宿題の問題については、これもまちまちですが、我々の場合は4人で分担して問題を作りました。作るといっても膨大な過去問を参考に、数字を変えたりアレンジしたりして使うので1からではありません。

Week 2-3: 宿題①公開

大体授業開始後2週間以内に最初の宿題が出されます。多くの学生もこの宿題の内容を見て履修を取り下げるか続けるかを判断します。

大体締切は二週間後のWeek 4であることが多く、その1週間後に中間試験(Midterm)があります。

Week 4: 宿題①採点開始 & 中間試験(Midterm)問題作成

私が担当した授業では宿題は大問が5個あり、これを130人分採点する必要があります。

大体1問あたり採点に3分はかかり、コレを130人分やると、単純計算で

3分×130人×5問 = 1,950分 = 32時間

かかります。問題によっては5分ぐらい採点にかかるのもあり、採点でかなり研究の時間が潰れます。

後述するGradeScopeというツールはかなり採点を楽にしてくれますが、それでも大変です。

加えて、この期間に中間試験(Midterm)の問題作成もあります。

Week 5: 中間試験(Midterm) & 宿題①採点続き & 宿題②問題作成

米国の授業の場合中間試験(Midterm)と期末試験(Final)の2つ試験があることが殆どです。大学院授業の場合はプロジェクトベースの授業が多いので試験でなく最終発表だったりしますが、学部は数百人履修するので試験形式が多いようです。

試験は授業の教室で行い、80分間で大問5個でした。期末試験(Final)は全授業一律2時間ですが、授業は1コマの時間でやります。

不正受験が無いように、顔と名前が学生証と一致するかしっかり確認します。

Week 6: 宿題①採点返却 & 中間試験採点 & 宿題②公開

採点が終わったら、採点結果を公開します。提出も返却もGradeScope上で行います。授業によってはCanvas(後述)で行うこともありますが、UIの優秀さからGradeScopeが専らになってきています。

日本の大学と異なり、GPAが重要視される米国社会では宿題結果ひとつでも学生との熾烈なやり取りが発生します。

大体どの授業でも、平均・標準偏差・中央値(たまにヒストグラムも)は公開されて、正規分布を仮定すると大体自分が授業のどの辺りにいるかを把握できます。

一応授業評価は絶対評価なのですが、後述する”Curve”は相対的に決まるので自分の順位はかなり大事になります。

採点結果返却から一週間はRegrade Request受付期間となり学生からの申告を受け付けます。このRegrade RequestもGradeScope上のみで受け付けており、対面で対処しないで済むようになってます。

対面で英語でまくし立てられたら、適切に対処できる自信がないのでコレは本当に助かります。

二個目の宿題も中間試験後すぐに公開されます。

Week 7: 中間試験返却& 宿題③問題作成

フローとしては 宿題①と同じく、平均・標準偏差・中央値を公開したあとRegrade Requestを受け付けます。

ただし、中間試験は成績への寄与が宿題より大きいので少しRegrade Requestは増えます。

あとこの授業では中間試験が難しく、平均がかなり低かったので、学生から「”Curve”はどうなりますか?」という質問が出てきます。ただ”Curve”は学期末に教授が決めるので何も答えられません。

Week 8-9: 宿題②採点開始 & 宿題③公開

中間試験を返し終わったのも束の間、すぐに宿題②の採点に入ります。

学生からするとやっと宿題を提出したのに、次の宿題がもう割当られることになります。

宿題も決して軽いものではないので、学部生は4つぐらい授業を取るので、米国大学生は学期中は常に宿題に追われています。

「米国の大学生は勉強する」 and 「日本の学生は勉強しない」はこの辺りから来ています。

ただ忙しすぎて、ラボに所属して研究活動とかには支障があるので、忙しければ良いというわけでもないです。

Week 10: 宿題②返却 & 宿題③採点開始 & 期末試験作成

流石に慣れてきますが、採点とRegrade Request対応でかなり忙しいです。期末試験も中間試験と同じように作成します。

Week 11: 宿題③採点続き & 期末試験

期末試験は中間試験とことなり、学科から場所と時間がアナウンスされます。時間は2時間で大問8つでした。

Week 12: 宿題③返却 & 期末試験返却 & 最終成績確定

最終成績の確定が期末試験後1週間という鬼スケジュールで組まれており、これがかなり大変です。事前にアナウンスしてRegrade Requestの受付期間を24時間にしてなんとか間に合わせました。

最終成績(レターグレード)と”Curve”

前述の通り、この授業は3宿題+2試験の構成になっており、各宿題が16%、各試験が26%で最終成績が決定されます。

この最終成績の決め方は必ず最初の授業でアナウンスされ、学生はこれも考慮にいれて履修を決めます。

このように、かなりシステマチックに成績が決まるため、オンラインでも十分に運用できます。近年オンライン修士が流行っているのはこの辺りもありそうです。

最終成績は一応絶対評価になっており、UCIの推奨だとこんな感じになっています。

A+ A A- 94–100% 94–100% 90–93%
B+ B B- 86–89% 83–85% 80–82%
C+ C C- 76–79% 73–75% 70–72%
D+ D D- 66–69% 63–65% 60–62%

例えばA-の場合、課題とテストの前述の割合での加重和が90–93%であれば貰える事になります。

一応、D-まで単位が出ますが、GPAは悲惨なことになります。GPA3.0維持にはB以上が必要です。

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Ph.D.学生の場合はGPA3.5を維持しないと行けないので、A-以上が必要になります。ただ大学院の授業は評価が甘めな感じはあります。

しかし問題として、生の課題とテストの加重和を当てはめると、殆どの学生がB-すら厳しい事態が発生します。これを緩和するために”Curve”と呼ばれる点数補正が入ります。

”Curve”の仕方は授業や教授によってまちまちですが、単に全員に定数を足して下駄を履かせたり、正規分布にフィットしてパーセンタイルで評価したり色々ありますが、基本は公開されません。

ただ”Curve”は基本的にクラス内の状況で決まるので、成績評価は実質相対評価になります。

感覚的には大体平均ぐらいにいるとB+が来るイメージです。

米国大学の授業運用三種の神器

学部授業の場合、数百人が履修するのはざらなので、システマチックに運用する必要があります。これを可能にする3つのツールがあり、全米の大学でおそらく導入されています。

Canvas

Canvasは授業評価用の統合サービスで、大学の履修・成績システムと紐付いており、一応評価・宿題提出・試験返却など一通りのことが出来る様になっています。

ただかゆいところに手が届かないため、他の2つのツールが必要になってきます

Piazza

Piazzaは授業掲示板で、授業のアナウンスや学生からの質問もPiazza上で行うことが出来ます。学生間でも質問に答えあったりしてくれるので、授業運営の負担が減ります。

あとここに告知すると残るので、言った言わない論争を避けることができます。日本の大学でも導入すると良い気がします。

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GradeScope

GradeScopeは採点を劇的に楽にしてくれるツールです。宿題提出はPDFでGradeScope上にあげてもらい、試験は我々はスキャンしてアップロードした後、オンラインで返却します。

スキャンした結果が残るので、返却後に改竄という自体も防げます。

スキャンもものすごい簡単で自動採点もあり、もうコレなしでは採点業務は考えられません。

その他業務

Office Hour

毎週1時間、学生の質問を受け付けるoffice hourを開催します。LecturerのOffice hourは別にありますが、TA陣も別途も行います。

一番来るのは宿題を公開した後で、問題文がよくわからない学生が質問に来ます。あと試験前はOffice hourを延長して対応します。

ただ今回の授業はPiazzaも後述するDiscussionもあったのでOffice hourはそんなに忙しくありませんでした。

Discussion(演習授業)

授業自体は週に80分×2コマですが、Discussionと呼ばれる授業で習ったところの演習問題をTAが解説する授業が毎週あります。

少人数指導にするため学生は履修時に決まった4つのセッションのどれかに参加します。1セッションは50分ですがTAは50分×4セッションをやるのでかなり疲れます。

まとめ

こんな感じに米国の授業はかなりシステマチックに運用されています。

GPAがかなり重要視される社会なので、評価の透明性やRegrade requestによる納得感の向上などに気をつかっており、まさに大学教育はサービス業という感じがあります。

ただこの数百人規模の授業は教育効果としてどうなんだ?という疑問は最もで、米国の上流階級が有名私立大学に行かせたがる理由もわかります。州立の研究大学の学部教育はかなり大味です。

Ph.D.編入が決まったので入学からあったことを時系列で書いてみる

皆様久しぶりです、tkmです。

夏休みも始まって1ヶ月経ち、鬼のような3授業履修+研究から心身ともに癒えて来たので修士入学〜Ph.D.編入が決まるまであったことを可能な限り時系列で振り返ってみます。

以前のブログで支援お願いした手前、私の留学模様はコンテンツとして楽しんで貰らうべくTwitterで事細かに報告するようにはしていますが、やはりブログとして残しておかないと後から見た人とかは振り返りづらいと思うので、これを期にまとめようと思います。

あと夏の留学向け奨学金戦線も始まってきており、米国大学院への留学する人が少しでも現地の想像がしやすくなるように何でも書いて行きます

修士も受験したほうが良いよ!

振り返る前に、多分このブログを読む人は米国で大学院を考えている人が多いと思うので一言

修士も受験したほうが良いよ!」

特にCSでの留学を考えている人は一応出しておいたほうが良いです。この分野の倍率はマジ異常です。

「既に留学先の教授と連絡が取れてポジティブな反応が帰ってきている。」レベルの人は心配しなくて良いと思いますが、

このツイートにあるように米国Ph.D.受験はまず落ちるものだと思ってよいです。

こんな話も出るレベルです

なので修士を受けておくと

  • 全落ちは流石に精神的に辛いので回避できる
  • 全落ちすると自分が米国の大学からみてどのレベルかを把握出来ない
  • 修士だとPh.D.よりも上位大学から合格をもらいやすい (PhD編入できると旨味が大きい)
  • 日本から受験する時と違って指導教員を見て(実際に授業受けて)から選べる
  • 英語がアレでも、ラボに入ってしまえば実力でゴリ押せる
  • 米国Ph.D.は雇用にほぼ近いので、教授達はレジュメで優秀な遠くの人より、知っている真面目に働く近くの人を採用しやすい傾向がある
  • Ph.D.に行くにしても同一大学だと授業を持ち越せるので卒業が早まる可能性
  • 他大Ph.D.でも米国大学間なら授業移管はしやすい
  • Ph.D.受験時に推薦状を米国大学の人にお願いできる
  • 米国仕様のGPAが手に入る
  • 最悪上手く行かなくても米国で就労できるビザが手に入る

などなどメリットがあります。

デメリットとしては生活費も含めて州立大でも500万円はかかる計算になります。

結局、修士はお金で時間を買う形になります。私の場合修士の間にPh.D.卒業要件の授業をほぼとり終えているのでPh.D.では研究に集中できるという夢のような状態になってます。

500万円はCS関連でしっかり大学で勉強した結婚してないエンジニアが30歳まで働けば払える金額と思うので、500万で1年買えると思えばアラサーのおっさん的にはありな選択な気がします。

とはいえ500万円は大金なので、一番スマートな方法は夏のインターンで研究室に潜り込む方法です。夏だけでなくインターンは年中募集しているので潜り込んでハードワークを見せつけるのが多分一番近道です。

CSの建物内の掲示板ですが、こんな感じにインターンは普通に募集しています。

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その他修士の情報はこちら

米国大学院でCS修士について書いてみる - tkm2261's blog

この1年の振り返り

前置きが長くなりましたが、本編を始めます。

入学までのことは前の記事に書いているのでそちらもどうぞ。

2018年9月前半

  • 9/10にLAX空港に降り立つ
  • simは日本で買っておいたのですぐセットアップが完了
    • 今も使っていて大体月30ドルぐらい
  • LAX->大学は50ドルで乗り合いシャトルバスで移動
  • 共有の寝室は嫌だったので自転車で30分ぐらいの一軒家の一部屋を月700ドルで借りる
    • ただしこの物件キッチンは大家が使うから使えないという不思議な契約
    • このせいで外食とかお菓子で空腹を誤魔化してたせいでかなり太った
  • 入居日に大家にシーツだけは買ってくるようにと言われて片道30分歩いて最寄りのTargetに行くことに
  • その後、同じ家に住んでいたポスドクの人から要らなくなった自転車をもらえたので行動が一気に楽に

2018年9月後半

  • 9/20 に入学生オリエンテーションから大学生活がスタート
  • 留学生にはメンターが割当られており、そのメンターに付いているグループが同じテーブルに割当られて、交流を図る。
  • 修士学生の辛いところは基本友人のつながりがないので、自分で色々調べなきゃいけない
    • Ph.D.の場合は研究室に先に顔を出すのでラボの先輩方から諸々の情報を貰える
  • 後々、この時同じテーブルだった人と話すと、「あの時はお前の英語何言っているか全然わからんかった」と言われる。どんだけ酷かったんだ私の英語は。。。

秋学期(2018年10月〜12月)

研究室所属

  • クォーター制なので3ヶ月が1学期
  • 必修セミナーで、UCIに赴任したばかりの今の指導教員の話を聞く(10/14)
    • セキュリティの研究者でスマホへの攻撃をとかを研究していて、
    • 最近はスマート交通網への攻撃や自動運転車のセキュリティを研究しているとのこと
    • 交通の話だと、私の専門の最適化が生きるし、自動運転車は機械学習いっぱい使ってるしで興味を持つ
  • セミナーの最後でmotivatedな学生募集中ということでメールで連絡
    • セキュリティとか全くわからなかったけど、漫然と過ごして研究歴つかないのが一番リスクかなと
  • レジュメと過去の成績表を送ってと言われて送ったあと、受け入れてくれる旨の連絡をもらった
  • ラボに行くと、指導教員を変更してラボに来た3年目Ph.D.学生と、ボスが着任してすぐ夏から指導を受けている修士2年の二人がいた。
  • その後すぐに、修士1年の別の学生も追加で加入。彼も修士Ph.D.を目指しており、同じようにお金で苦労してたので、意気投合。後述するがボスは研究の要求がかなり高く大変だったが彼と励まし合いつつ何とか乗り越えることができた。
  • というかラボのメンバー全員ジェントルマンで最年長の私が一番幼く見える始末。
    • 私が英語で落ち込むたびにいつも励ましてくれて感謝しかない。
    • 英語は環境に飛び込んでやれば上達するが、最初期にそれを支えてくれる人がいるかどうかがかなり大きいと思う。私は幸運だった
  • とはいうものの、Ph.D.の学生からは「お前とのMTGは今でも覚えてて、全く何言っているかわからなかった」と言われ、
  • ボスからは論文輪読の発表のあと「全くわからんけど、何とか推測した」と言われる。
  • マジで最初期の英語やばかったな。。。

授業

  • 3授業を履修
    • 卒業には11授業の履修が必要で、3授業履修すると1年3ヶ月(4クォータ)で卒業ができる
  • CS273A: Machine Learning
    • 昨今のブームでかなりの人気授業
    • 評価は宿題+中間試験+期末試験+期末プロジェクト
    • 別学期に同じ授業を担当するもう一人の教授の評判が悪く、この教授が担当する学期に集中する
    • 内容としてはかなり基礎的な内容を広く浅く触れる感じ
    • 研究と他の授業が忙しかったのもあって資料だけ読んで、ほぼ授業は聞いてなかった
    • 調子ぶっこいて中間試験を勉強なしで望んだら点が低かったので、期末は頑張って挽回したらAは取れた
    • 期末プロジェクトは与えられたデータ・セットから選んで機械学習的何かをする感じで適当にこなした。
      • 一応チームプロジェクトだけど私以外はあまり機械学習知らなかったので、適当に私が進めて終わった
    • Akaike's Information CriterionがAikeke's Information Criterionになってたのが未だに忘れられない
  • CS268: Intro to Optimization
    • さすがに専門の最適化の授業なので問題なし
    • 評価は宿題+中間+最終プロジェクト
    • 内容は大体この2冊から
        1. Belegundu & T. Chandrupatla, Optimization Concepts and Applications in Engineering, 2nd ed. Cambridge U. Press.
        1. Luenberger, Linear and Nonlinear Programming.
    • 証明は端折りぎみで、使うことに特化した感じ。というか一冊目の教科書がそんな感じ
    • ただ教授の説明が整理されてなくてあっちこっちに行く上、授業の進捗は早いので正直履修せずに、この授業を日本の修士の授業から移管すればよかったと後悔(後述)
  • CS222: Principles of Data Management
    • あとから知ったがUCIのCSで最も大変な授業の一つ。無知ゆえに取れた授業
    • 小さいデータベースをほぼスクラッチC++で作成、2週間毎に以下の課題を提出
      • ページファイルシステム
      • リレーションマネージャ
      • インデックスマネージャ (B+ tree)
      • クエリエンジン(whereやjoinなど)
    • 成績はプロジェクトが60%で中間と期末が40%の評価
    • プロジェクトの成績は提出ごとに公開されたテストコードを通れば90点、非公開のテストコードを通ると100点以上が貰える
    • 恐ろしいのは、実装を積み上げていくので、過去にテストコードを通っててもバグがあると後の課題提出で爆死する可能性があるところ
    • 秋学期の週末はすべてこれに溶けた

研究生活

  • 研究室に入ったあとは、とりあえず関連論文を10本ぐらいアサインされてそれを個別の研究ゼミで報告
  • 今思うとボスも着任したばかりで忙しく、研究の要求は全然激しくなかった
  • 11月中旬ぐらいにテーマがしっかり定まった。(ボスが投稿前に言うなというのでまだ秘密)
  • 加えて論文輪読ゼミとCTFゼミがあって、週3回MTGがある感じ。これは他のラボと比べても多いと思う
  • ただ英語が壊滅状態の中、輪読ゼミと、CTFゼミは持ち回りでホストを務めなければならなかったので結構苦労した
  • とはいえ週三回必死にやっていると英語は上達するもんだなと感じた

2018年11月下旬〜12月初旬

  • 2ヶ月経って大体の生活に慣れてきた
  • 留学前は「授業やったるでー」と思っていた熱い思いはもうなく、授業が研究の邪魔に感じるように
  • 日本の修士から授業が移管出来ると聞いたのでGraduate Counselorを訪問
  • 色々調べた結果、修士学生は2授業まで移管できて3授業を履修すると9ヶ月で卒業できることに気づく
  • 1年以下で修士をおえた前例は聞いた限りなく、Graduate Counselorを何回も訪問して卒業できることを確認
  • 「あれ?1年で修士終えて今年もPh.D.応募出来るんじゃね?」と思い始める

インターン応募

  • PhD進学が第一志望であるものの受からない可能性を考えて翌年のインターンの応募を開始。
  • 最初は自力でとか思ったけど、リファラルないと面接すら出来ないことに気づいてリファラルもらったところ(10社前後?)を受験
  • 最終まで行ったのもあるけど、英語が壊滅してたのでダメだった。
  • コーディング試験もコーディングというより私には常に英語の試験という感じ
  • 最終的にPhD決まったあと、ボスが夏に給料くれるということで、夏は研究に専念することに。どのみち修士だと研究インターンは厳しい

出願に向けて

  • ボスになんか1年で卒業出来そうだから、Ph.D.出願して良いかと相談
  • ボスは乗り気でなく、「今年無理に出さなくても、研究結果が出てから来年で良いのでは?」「着任したばかりでUCIの入試制度がわからないので何の保証も出来ない」などなどを言われた。
  • 「引き続きボスの元で研究したいけど、お金が最大2年目の秋学期までしか持たない」旨を伝えて、
  • J-1ビザに切り替えて卒業後も残るとか(F-1->J-1って出来るのか?)、OPTで残るとか(制度上無理だった)、Graduate Counselorに「私の口からそれが可能とは言えない」という超裏道的な方法までボスに色々伝えて議論した
  • 結局、受験してもデメリットはないでしょと説得して、推薦状は貰えることに。
    • この時既に研究プロジェクトで結果が出始めてたのが大きかったと思う
    • 最適化と機械学習がガッツリ関わってたので私以外を探すのは無理だったと思う
  • なんの保証は出来ないということで、ほかのUCI教授に連絡を取る旨と他大学(GaTechとUT Austin)も受けることを伝える
  • ただこの時既に12月になっており、出願締切が12/15の中、インターン応募&面接しつつ秋学期の期末試験対策しつつPhD出願書類を用意した自分を褒めてあげたい

冬学期スタート(2019年1月〜3月)

  • 3授業+研究の大変さは身にしみており学期の最初に恐れおののいていたのをおぼえている。
  • 冬休み明け最初の研究MTGでボスから研究進捗が少ないことを言われる。「いや冬休みやん。。。」と思うものの、この頃から要求がとても高くなる。

授業

  • 今季は3授業履修+英語授業
  • CS265: Graph Algorithms
    • ラボのPh.D学生の勧めで履修
    • 成績はほぼ中間と期末で決まる仕様
    • 週に1時間×3コマの授業で集中が続きやすくてよかった
    • 内容もグラフの初歩から復習出来て満足
    • 完全な板書スタイルで私好みだった。(人間は板書よりも速いスピードで理解は出来ないと思っている)
  • CS230: Distributed Computing Systems
    • 選択必修なので履修
    • かなりふわっとした分散コンピューティングの話
    • 行列積の分散計算はためになったけど、微妙な授業だった
  • CS 272: Statistical NLP
    • PhD受験するにあたって連絡した教授の授業
    • ウチ入りたいならこの授業とってと言われたので履修
    • 宿題+プロジェクトで成績が決まる
      • プロジェクトはワークショップレベルと言われて、ACLのフォーマットで最大6ページ
      • 過去にプロジェクトをそのまま論文投稿した人もいるとのこと
    • 履修が遅れたせいで余っていた学部生と組むことに
    • 最初色々気を使っていたが、まったく進まないので力技で私がすべて実験+レポート執筆
      • 最初私が研究テーマを提示
      • チームメイトは出来る自信がないとのことで、泣く泣く既存論文を再現実装するプロジェクトに変更
      • 彼らがリードしてくれると思いきや何もせず教授に心配される事態に
      • 説明が面倒だったので気合の5日で実装を終わらせて、教授に初期結果を見せて事態を鎮火
        • かなり実装ヘビーな論文を選んでたのでまたチームメイトに殺意が湧いた
      • 論文に書いてあることと、著者実装のGithubコードが違うことに気づくのが遅れてクソ時間が掛かった上に、最終的に再現せず。
      • 再現しない愚痴とか論文間違ってるとかを最終レポートに記載
      • 再現実装した論文の第3著者が授業の教授で、多分これで私のことを覚えてくれたのだと思う。
      • 風のうわさで、私のPhD合格にあるML系の教授が賛成してくれたのが大きかったと聞いたので、プロジェクト大変だったけどやってよかった
    • いま思うとPhD受験で本気アピールしようとしている業務経験アリの機械学習エンジニアに学部生を付き合わせたのは申し訳なかったと思う。英語が堪能だったら導いてあげるとかも出来た気がするけど。。。
  • 英語授業
    • 自分の英語のあまりの酷さに気づいたので履修
    • 英語の授業を受けに来るレベルでも一番英語が出来ないという始末。。。
    • 週2回授業+メンターがついて毎週1時間個別にメンターがマンツーマンしてくれるので、コスパはいいとおもう
    • ただこの時既に研究がかなり忙しく、為にはなったけど身を入れて授業には参加していない

研究

  • この頃から本格的にボスの要求がかなり高くなる
  • 多分真剣にPhDを考え始めてくれてたのだと思う
  • MTG前にラボに泊まることも多くなってきた

就活

  • PhD落ちた時のことも考えて、就活を開始
  • といってもまだそんな本腰入れてないのでGAFAの辺りにだけ出願
  • GoogleのML EngineerとGoogle residency programだけ連絡がきた。
  • Googleはとりあえずコーディング面接までは他の企業より行きつける印象があるが、その分コーディング試験は厳し目と聞く
  • 冬学期の試験勉強しつつ就活しつつPhDの合格待ってるのは精神的にかなりキツかった

春休み

  • 3授業+英語授業+研究は相当つらく、このころから慢性的に頭がぼーっとして研究とかにも集中しきれなくなってきた。
  • 春休みになってもPhDの連絡どこからもなく、研究をしっかり終わらせるために秋学期までは大学にいることを決意
  • 春休みに兄の結婚式で帰国予定だったので、その前にボスに秋まではいることを伝えることに
  • そのことをボスに話したら「君を真剣にPhDに考えている」と言われる。
    • ボス曰く私の英語力が低すぎて、いきなりコミッティーに推薦できないので4月過ぎてからこそっと通すと言われる
    • あと裏でボスがオファー出した人が一杯断ってるのを聞いていた。UCIだとそうなるよな。。。
  • 半分PhDの内定が出た状態で日本に帰国、良い精神状態で楽しむことができた。
  • Googleのコーディング試験も無対策で受けて無事撃沈。もう就職考えてなかったし

春学期スタート(2019年4月〜6月)

  • 帰国して、すぐ合格のメールが届く。ボスには感謝しかない。
  • この時初めて、ボスに英語の上達を褒められて嬉しかった
  • ただボスは本格的に私のことをPhD学生と扱うようになり、研究の要求がより一層増加
  • 前述のとおり、慢性的な疲労で常に頭にモヤがかかってる感じで春学期が始まった。
  • 同じ大学のPhDということで修士は卒業せずに、退学->再入学という形にした。無理に卒業しようとすると授業が増えて多分死んでた
  • 修士は卒業しなくても履修した授業がPhDに持ち越せることを各所に何度も確認した

授業

  • 今季も3授業履修
  • CS295: Advanced Computer and Network Security
    • ボスの記念すべき最初のUCIでの授業
    • 週二回の授業ごとに論文がアサインされて全員でディスカッションする大学院ぽい授業
    • 授業前に500字程度の論文サマリを提出する必要があって英語的に結構大変だった
    • 期末プロジェクトはボスが今やってる研究をそのまま授業プロジェクトにしていいと言われたので問題なかった。いい感じの結果でてたし
  • CS295: Deep Generative Model
    • こちらも新任の教授の授業
    • 昨年ICMLに5本通しており、UCI待望のピュアなML系の教授
      • なんでUCIに来たのか謎だったけど、前の職場もLAだったので多分移動したくなかったと予想
      • 気候とか治安とかの環境面ではUCIマジで最強
    • 私もGANは雰囲気しか知らなかったので授業を興味持って楽しめた
    • 授業プロジェクトのディスカッションで共同研究をお願いしたら実現。いまボスも含めて一緒にやっている
  • CS230: Data Structures
    • 選択必修だったのと、データ構造好きなので履修
    • 楽勝かと思ったがさすが大学院の授業、フィボナッチヒープの計算量解析+実装詳細とかBalanced Binary treeの実装詳細とかが求められて、為になったけど大変だった
    • 中間試験で計算ミスやらかしまくって冷や汗をかいたけど、期末で挽回出来る仕様だったので事なきを得る

研究

  • 前学期よりは忙しさが緩和されたが、まだ忙しい上に頭にモヤがかかってる感じで集中できず
  • 結局集中出来ずに、MTG前日に徹夜して挽回する悪循環が生まれる。
  • 前期より時間あるのに集中出来ずに進捗が生まれないことに、逆に精神的に追い込まれる事態に。生活リズムもめちゃくちゃ
  • 何とかごまかしていたが、学期の最後の方に「朝起きたあと体が動かない」という鬱の症状で聞いたことが自分にも起こって驚く
  • 最終的にボスに正直に話して、試験のある学期最終週から3週間は研究で休みをもらった

夏休み(2019年7月〜現在)

  • 3週間の休みで頭リフレッシュ
  • もともと研究したいのに、授業に時間とられて出来なかったのがストレスだったので精神面も改善
  • ボスの要求が高いのも、逆にハードワークすれば怒られないと割り切れたので、何か生活にメリハリが出てきた
  • CVPR/ICMLにも派遣してもらって、そこで仕入れたネタが研究にも生きている
  • 今やってる2つのプロジェクトも第一著者確定で、かなり良い結果が出てるので超順調
  • 給料が出るのでSSNを取得したり、車買ったり運転免許をとったりと、9ヶ月目にしてやっと大学以外の生活に目が向くようになってきた

最後に

多分この9ヶ月間のことを一生忘れないと思う。

日本語だったら問題なくこなせた自信あるけど、英語で、PhD受験の為に高GPAを維持しつつ3授業受けて、2ヶ月で推薦状貰うレベルで研究してを9ヶ月間維持しつつ、インターン就活PhDの応募と神経使うことを並行するのは、もう二度とやりたくない。

ただ私の場合は報われたので良かった。論文なくても米国PhDにパワープレイで入学出来ることを示せたと思う。

(というか私の分野で修士で論文持ってるとかほぼ無かったし、分野と時代によるところが大きい気もする)

最大のファインプレーは勢いで決めたPhD出願。その時の自分を褒めてあげたい。

ただこれから留学を志す方々は、私みたいに泥臭いパワープレイをしないですむように、学部生and修士でしっかり論文を投稿したり、予めインターンで渡米して教授に自分の仕事ぶりを見てもらったりとかして苦労が少なくなる事を祈っています。

日本と米国の修士の違いとか、データサイエンティストのキャリア構築とかを寄稿した

こんにちは、tkmです。

日本と米国の修士の違いとか、データサイエンティストのキャリアとかを日本ソーシャルデータサイエンス学会の学会誌に寄稿したので一応ブログにも残して置きます。

www.jsdss.org

タイトルは「日米データサイエンティスト教育の違い」と物々しくなってますが、日本と米国の修士を両方経験する人は稀なのと、

日本だと良くわからない”海外では〜”論が蔓延しがちなので、実際に経験した身として感じたことを書くのも一興と思い寄稿させて頂きました。(留学に際して大変お世話になった筋というのもありましたが)

TL;DR

  • 日米修士課程で違いはあれど、大きい優劣があるとは思わない
  • 日本は卒論修論での研究・執筆経験の充実している
  • 米国はプロジェクトベースの苛烈な授業メインで卒論は必須ではない
  • 現状の日本のシステムは教員の犠牲で成り立ってるので、よりシステマチックな米国方式を一部取り入れた方が良いのでは
  • データサイエンティストは実務経験重要だから日本の新卒採用は良いよ。
  • データサイエンティストの仕事も多様化しているので、自分の目指すスキルのポートフォリオを考えてキャリアをデザインする必要がありそう。

エンジニア勉強会(コミュニティ)運営について思うこと- 適度な内輪感と公共性の両立

こんにちは、tkmです。

このブログではポエムはあまり書かないことにしてたのですが、最近エンジニア勉強会(特にML系)が募集後すぐに埋まるツイートを目にしたので、

エンジニア勉強会全盛期(TokyoR, TokyoWebMiningなどの時)に学生で参加してから、kaggle meetupとかで運営するようになったので色々思うことを垂れ流して見ます

持続的な勉強会(コミュニティ)に必要なこと

適度な内輪感と公共性の両立

色々考えたけど全てこれに尽きる気がしている。もちろん内輪盛り上がりは大嫌いなんですが、ある程度コミュニティの核となる人々が居ないと結局盛り上がらないので”文化”的なsomethingのためにある程度は必要。コミュニティが死んでいかないためにも裾野を広く公共性(誰でも参加できる)も維持する必要がある。

言うは易しで、これをやっていくのは結構大変

質の高い発表者の確保は最優先

質の高い発表のない勉強会はただのおままごとなので、もちろん必須ですが、コミュニティが大きくなるに連れて意外と大変になります。

運営から一言声を掛けるのがとても大事

勉強会が有名になると発表者にプレッシャーがかかるようになって、優秀な人でも尻込みするようになってきます。

特に学生は最先端の研究に従事していても、”大人”達の前で発表するのは苦手だったりします

某勉強会の主催者は懇親会とかで、ちょっと今やっていることを話すと「次発表してくれるんですよね?」と声をかけてくれて学生ながらに嬉しかったことを記憶していて、私も真似するようにしています。

学生に限らず、自発的発表する人は少なくても、依頼されたら話しても良いかという人は多いので、

心理的に発表者を「依頼されたし、とりあえず話してみるか!」というステータスにするのがとても大事

発表することが目的の発表を排除

勉強会が有名になると、「あの勉強会で発表したい!」というのが全面にでて「やってみました」系の発表が増えてきます。

もちろん発表者のモチベーションの一つになるのは良いんですが、そういう発表が多くなると、勉強会にいっても何も勉強にならないという状態になってコミュニティが衰退していきます

kaggle meetup運営でも合意が取れてて、金メダル圏内相当かつ半年に一回程度開催にしているのもこの辺りがあります。kaggle meetupは基準が明確なので運営すごい楽なんですよね。。。

参加者の質も最低限確保したい

勉強会おじさんは絶対排除。慈悲はない

これはよくネタになりますが、勉強会おじさんと「勉強させてもらいます」勢はいても大体コミュニティに貢献しないのでなるべく減らす必要があります。

勉強会の大前提は互助会なので。

今まで全く手を動かしてなかった人が勉強会を機に初めることはまずないです。さらに、そういう人は有名人に絡みたがるでの大事なコミュニティ構成要員が参加を見合わせるようになるので害すらあります。

ただこれはとても対応が難しいのですが、kaggle勉強会の場合は運営で話し合った「どんなコンペでも1 submit経験 (titanic可)」という基準が比較的妥当性があるので助かってますが、他の勉強会では難しいですよね。。。

論文輪読会だと全員読んで発表というのもありましたが、ここまで硬派になると優秀勢でも時間がないと参加出来なくなってしまうので難しいですね。

それでも新規参入者の敷居は低く

最初コミュニティに参加するときには、少なからず「入って大丈夫かな?」という心理が大きいので外からみて怖くないことを留意した方が良いです。コミュニティの活発さは裾野の広さが大事ですし、エンジニア界隈コミュ障が多いのでこういった気遣いが優秀な人が参加してくれるきっかけになります。

kaggle slackの告知でも、自動で参加できる事を繰り返し周知しましたが、slackに入るときにメアド入れるのってちょっと怖いですよね。

slack参加に管理者にDMかメールが必須とかになると、ガクッっと新規で来てくれる人が減るかと。

内輪盛り上がりは予想以上に外部から醜悪に映る

ある勉強会では、運営&常連メンバーをネタにしたスライドを入れて笑いをとってたりするのを見て、混じりたくない感を感じたことがあります。

競プロ勢の「はいプロ〜」のノリも最初拒否感を覚えたし、kaggle勢の”イキリ”も結構拒否感ある人がいると思ってます。

ただし、内輪盛り上がりて内輪に入ってると凄い楽しいんですよね。勉強会なんて仲の良いグループで集まってるだけで、「なんで楽しい事を自重しないといけないねん!」という主張は最もかと。

ただこれをやると、厳し目に始めた専門書輪読ゼミが、一人消えまた一人消え、新規は来なくて、最後まで読みきらずに瓦解する感じで衰退していきます。

コアになる常連メンバーは必要

矛盾するようですが、内輪盛り上がりはある程度必要で常連メンバーは絶対必須です。

有名勉強会はチケットが公開直後数分で売り切れるのもざらだと思います。こうなると獲得競争に勝つのは大体ずっと行きたかった新規の人が多く、参加者の質が担保されなくなります。

優秀勢の勉強会への参加&発表目的は、「あの人と議論したい&意見を聞きたい!」なので勉強会行くとあの人に会えるといのは大事です。

あと大体勉強会を始めた人々は、仲いい奴らで技術を肴に飲みたいというモチベで始めている事が多いので常連は参加できる仕組みがあると良いです。

kaggle meetupの金メダル枠も公共性を維持しつつ、いつものメンツで集まるにはどうしたらよいかという議論で生まれました。これまた普通の勉強会では難しいんですよね。。。

あとconnpassとかとは別に運営招待枠を裏で確保しておくのも有効です。

運営は出しゃばらない

エンジニア勉強会全盛期には勉強会の主催者になるのが一種のステータス感がありTwitterのbioに盛り盛りで書いたり、開始前トークがやたら長い人が一杯いました。

あれは発表者のやる気を削いだり、変なメンバ(勉強会おじさん・よいしょ勢)が集まるだけなのでやめたほうが良いです。主役は発表者

これも一種の内輪盛り上がりですかね

どこまで公共性を追求するか

勉強会は「気の合う奴らでワイワイやりたいだけなのに、なぜ公共性」というのは説得力ある主張です。

ただ新しい人を呼び込まないと、コミュニティとしてはすぐ衰退していくのでバランスがとても難しいです。

kaggle meetup運営でも意見が割れるし、比較的公共性重視の私でも「数百人規模でカンファレンスレベルでやるか?」と聞かれたら反対します。

幸いにして日本でもトップのkagglerの方に発表をお願い出来ているので、なるべく公平に参加機会をと思っているのですが、kaggleメダル保持者枠を増やして常連メンバの参加を増やしたいのが人情だったり

試験的にYoutube配信はやりましたが、運営負荷が高い(配信することの周知徹底や設営)のと発表者も萎縮したり拒否もあるので答えは出なかったり。

裾野の広さはコミュニティの鍵なのですが、内輪感と公共性の両立はとても難しいです

ただ、slackを作ったのはかなり成功で、現在5,000人ぐらいいますが勉強会以外でもコミュニティの構築にかなり寄与してくれています。

いま思っていること

優しい終身の独裁者は必要なのか

自分が学生で勉強会に参加していたころ、大したことないおっさんが何仕切っとんねん、と思ったりしたこともあったりなかったりなので、

運営の新陳代謝したほうがいいのかなーと思ったりもします。ただ有名OSSプロジェクトをみるとリーナスとかの優しい終身の独裁者がやっぱり必要な現実をみると、変に進めないほうが良いのかと思ったりも。自分も老害化はいつかするだろうから難しい

日本における技術的なコミュニティってどうなっていくのか

昨今、国内学会は大体衰退の傾向にあると思います。もちろん英語と能力があれば国際学会で活躍すれば良いと思いますが、国内学会果たしていた日本語での知見共有とコミュニティの役割はどうなって行くのかなと

いま留学をしていて、大体どこの国も自国の同期入学者とかとはwechatとかで入学前に繋がっている一方日本のものはなかったりします。

もちろん日本人が少ないのは要因ですが、結構みんな私も含めて「留学に来て日本人と馴れ合わない」と思っている節があります。

Youtubeで新作ゲームに日本語動画だけコメント出来なかったりとかもありますし、日本人の現代の気質はコミュニティ形成に向いてなかったりするのかなーと考えたり

現代のOSSプロジェクトの成功はインターネットで世界規模のコミュニティが形成できているからと思うので、なんとか日本でも良質なコミュニティが出来るとよいですね。

昔、一億総〇〇が出来た過去をみると不可能ではないのかなと。

米国大学院でCS修士について書いてみる

お久しぶりですtkmです。

今日は1 quarter終わったのでこちらで修士を目指すとどういうことが起きるかということを報告していきたいと思います

以前ブログやTwitterでご支援を依頼したところかなりの方から、支援を頂いたので極力こちらでの生活や大学の事はブログにしていきたいと思っています。 もし聞きたい話とかありましたらTwitterなどで教えてください。

※注意 本稿ではUCI Master of Science in Computer Science programの話をします。こういう話の一般論は大概役に立たないので、特定プログラムの詳細について話して行きます。

この記事みて支援いただける方居ましたらPatreon登録待っています!

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米国で修士を取るメリット

1. 卒業後に米国で就労できる

F-1ビザで留学する場合、OPTという制度で学位取得後に1年間、STEM系の場合は3年間米国で就労することが出来ます。

3年あるのは結構大きく、1年しかない日本のMBA留学者がなかなか職を見つけられないのもこの辺も関係してます。この点理系留学はお得です。

米国の就労ビザH1-Bは抽選がある上に狭き門なので、確実に外国人が働く方法として学位はオススメです

そのため大半の方は

『米国修士就労ビザを金で買う制度』

と思って間違いないです。お値段大体300万円〜1,000万円

ただし米国就活戦線は厳しいので職が見つからないケースも普通にありえます。

2. 教授とのコネ (for Ph.D.)

こちらの修士は研究室所属は必須でないですが、研究に興味がある学生は教授にお願いして研究室に所属することが出来ます。

米国のPh.D.は教授がお金を払って学生を集めるので優秀な人をとりたいのはもちろんですが、知っている(安牌)を採用したいバイアスがあります。

そのため、既に知っている or 知っている方からの推薦(推薦状)がとても重視されます。

修士で研究室に所属すると、そのままPhD取ってくれる or 推薦状書いてもらえるとなるのでPh.D.応募にかなり有利になります。

「どうしても一流大でPh.D.を取りたい!」という方は、修士から潜り込むのも戦略としてアリです。

教授によっては、教授の担当する授業でA~A+とってないと研究室所属できないという場合もあるので入ってからも大変ですが

3. 友人

仕事から米国に来る場合に比べて友人が出来やすいです。友人が多いと人生豊かとかもありますが、ビジネス英語以外を学ぶ機会も多いのと、この友人たちは米国を始め世界中に散らばるので交友関係はとても助かります

この辺は既に働いているかたならよく分かると思います。

4. 海外経験(笑)

クソどうでも良いですが、日本に蔓延る海外厨を相手にしなくてすみます。

日本で修士を取るメリット

1. お金

北欧とかと比べられて何かと批判されがちな日本の大学システムですが、個人的にはとても良くできていると思います。

それでいて国立大学で年間50万円前後は米国に比べると破格です。

(誰が犠牲になってるかというと、教員なんですが)

UCIの場合は大体1 Quarter $10,000 = 120万円 ぐらいです。夏は無いので年間360万円が学費です。

これは州外からくる学生の授業料で、州外の学生の場合は大体120万円ぐらいです。

将来日本の授業料もこれぐらい上がってくるかもしれませんね。

2. 研究がしやすい & 授業が忙しくない

日本の場合は修士は基本的に研究室に所属して、修論を書いて、あわよくば投稿も目指せるのは素晴らしいです。

米国の修士は授業がとても忙しいです。UCIの場合卒業までに11授業を取る必要がありますが、1Qに3授業とるととても忙しくなります。

更に、授業料が高いので大体1年半(4 ~ 5 quarters)で卒業することを目指す人が多く、これに研究をいれるととても大変です。

Ph.D.で入学した場合授業料は教授もちなので、1Qに1~2授業で2~3年かけて卒業要件を満たせるので事情が異なります。)

日本の場合は、授業はおまけ程度でGPAも見られないので研究に集中したい人にはとても良い環境です。

日本の修士で海外にコネのある教授の下で、研究業績上げてPh.D.もしくは研究留学を目指すのが多分一番良い道です。

私の日本の修士時代は人生でも有数に楽しい期間でした。

3. 日本企業へ就職しやすい

いくら米国の大学を出ていても、米国の就活戦線はとても大変なので米国で職が見つからない可能性は普通にありえます。その場合日本での就活はやはり日本に居たほうが有利です。

あと若いときは大体なんとかなりますが、40代とかで日本に戻って来たときに日本での就業経験が無いどう転職活動してよいかわからないケースもあるかと

ガラパゴスと散々揶揄される日本ですが、逆に考えると日本というあらゆる産業を抱えた市場が、日本語という強大な障壁に守られているのは日本人労働者によって有利に働きます。disるよりも上手い付き合い方を学んだほうが賢いです

留学で貯金使い切っても私が比較的楽観的なのも日本での就業経験+転職経験+フリーランス経験によるところが大きいです。

特定の国の商習慣を知っているというのはかなり大きいです。

米国修士にオススメな人

ビザだけが問題な技術者

『米国修士就労ビザを金で買う制度』なのでオススメです。

さらに米国でエンジニアとして働くには関連学位がほぼ必須なので、非CS学位で日本で働いている人とかはこれもメリットです。

多少英語に不安があっても、1年修士に通えばかなり上達するのでそれもオススメです。なんだかんだ久しぶりに受ける授業も楽しいですよ

ただし、米国就活にコネはとても大事なので卒業時期にリファレンスもらえるあては目をつけておいたほうが良いです。

絶対に米国で働きたい学生

親御さんと要相談ですが、米国就労ビザの壁はかなり高いのでノリと勢いで来てしまうのもアリです。

ただ米国就活戦線はとても厳しいので、対外的に参照可能な実績や就業経験、米国企業で働いてるリファレンスもらえる友人のあてとかはあった方が良いです。

研究が目的の場合は、日本の大学院にいって

  • 海外と交流がある先生の研究室に潜り込んで
  • 研究成果をだして
  • 推薦状をもらってPh.D.入学を目指す

これが一番成功率が高いです。別に学位が目的でないなら日本のPh.D.中に研究留学1年とかでも良いと思いますし。

米国CS修士の諸々(卒業要件・期間・費用)

卒業要件

UCIのMSCSの場合、以下の2通りの卒業の仕方があります。

  • Comprehensive Exam option
  • Thesis option

Comprehensive Exam optionの場合は必修科目のうち3つでComprehensive Examという試験を受けて合格すること。ただし授業によっては授業評価がB+以上とかで別途試験がない科目もあります

Thesis optionは日本の修士と同じ感じです。学内の論文審査に通ると卒業できます。

多くの学生はComprehensive Exam optionを選択します。理由としてはお金です。Thesis optionは大体2年を要するので、1年半で卒業できるComprehensive Examに比べて数百万変わって来ます。世知辛いです

期間

とくに卒業までに決まった期間はありません。卒業要件が満たせれば卒業できます。

  1. 11授業履修
  2. そのうち選択必修4科目 + そのうちComprehensive Exam 3授業
  3. Seminarを3 quarters履修 (学外の人とかの話を聞く週1授業)
  4. 1 quarterに最大16単位履修可能 (各授業が4単位、seminarが1単位)
  5. 既に修士号を持っている場合は2授業まで移管可能(要審査)

要件3があるので、最短は3 quartersつまり1年卒業が可能ですが、11授業履修が必要で1Qに3授業が限界と考えると1年3ヶ月が現実的です。(秋, 冬, 春, 秋の4 quarters、夏はない)

周りをみても大体4〜5Qで卒業する人が多いです。ただ卒業要件満たしたあとも1Q800ドル払うと籍は残せるらしく就職留年する留学生もそこそこいます

日本で修士を持っている場合は要件5で最後の秋Qを減らせるので1年卒業が可能です。私はこれを狙ってますが中国人留学生でも3Q卒業は見ないらしく出来たら相当レアなケースです。

さらに夏インターンがなくなるのもデメリット(OPTで普通に働くことになる)

費用

UCIのMSCSの場合、大体1Qに10,000ドル= 120万円かかります。

1Qに3授業とって4 quartersで卒業とすると480万円、生活費が月10万とすると全部で600万ぐらいの試算です。

これはカリフォルニア州立大学でstate-sponsored programの値段です。その他にprofessional masterもありそちらはもう少し高いです。

私立大の場合は授業料が倍以上かかるイメージですが、よくわかってません

米国就活戦線

まだほとんど経験してませんが、気になる人が多いと思うので触れます。

リファレンス無いとほぼ無理ゲー

米国の大手企業には世界中からアプリケーションが集まるので、普通はresume screeningを突破するのは至難の業です。

見る側も大変なので企業側もリファレンス前提で動いており、大手は従業員からリファレンスを管理するシステムすら作ってるところがあります。

米国一流大修士の日本人の方はリファレンスなしで100社応募して受かったのは2社といってました。

その方は知り合いの知り合いで直接面識なかったので、リファレンスお願いするのは図々しいかなと思ってましたが、むしろお願いした事を褒められました。

善悪は置いておいて、そういう感じになっています。

さながらハンター試験

就活関連で聞いた話で『見知らぬ大学にいって、片っ端から学生に声掛けてTeslaのインターンを獲得した人がいる』というのがありました。

これが美談として語り継がれていることから『resume screeningを突破するにはあらゆる手段が合法化される』という感があります。

試験会場にたどり着くのに大半が脱落するさながらハンター試験の様相です。

コネでもなんでも総動員して企業リクルータと直接話しが出来るレベルにいかないと文字通り話にならないです。

大学Job Fairは地獄

大学の就職フェアには多くの企業がきて、その場でインターンの面接をやったりします。

ただその面接に1社あたり90分ぐらい並んで、面接も立ったまま3分ぐらいです。英語がアレな時点でほぼアウトですし、非STEMでデータ分析やりたい勢とかも多くいたりで地獄。

リファレンスの大事さを痛感した一日でした。

Kaggleはいいぞ

ポジショントークですが、kaggleはかなり役に立ちました。

  • 英語下手でも3秒で自己PRできる
  • データ分析に力を入れている企業が分かる
  • 「御社のコンペで上位でした」は強い
  • コンペ入賞者は企業のMLチームと直にやり取りしているので、知り合いだとリファレンスをお願いできる

あとコーディングインタビューは必ずあるので競プロもLeetcodeとかはやっといたほうがよいです。あとはCracking the coding interviewを読むとか

渡米後から入学までの手続き

こんにちは、tkmです

後々思い出すのが大変になりそうなので、渡米後からどんなことをしたのか書いておきます

入管手続

有効なビザ(私の場合はF-1ビザ)がある場合は、ESTAはいらないのでI-20とパスポートとパスポートに貼ってあるビザがあれば問題なく入国できます。

特にI-20はスーツケースに入れずに手荷物に入れるようにしましょう。

スマホのセットアップ

現地でセットアップがダルかったので日本でH2oのsimを買っていってしまいました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B013OUS19E

月30ドルで2GBのやつで普通に使う分には問題ありません。

さらに日本にいるうちに米国での番号を確定できるので良いです。

こちらでは番号が要求されるケースが結構あるので早いうちに米国での番号は持っておいた方が良いです。

空港から部屋までの移動

IrvineはLAから車で1時間ぐらいのところなので、大学から割引券が来たのもあって空港シャトルバス(SuperShuttle)というものを利用しました。

SuperShuttleは乗り合いで$50ぐらいでした。基本的にはUberよりは割安みたいなのでこれで良さそうです。

あと事前に目的地(部屋)を地図で指定して目の前まで運んでくれるヤツなので土地勘がなくても大丈夫です。

ただ、LAXのFree Wi-FiだとSuperShuttleのページにアクセス規制が掛かってるので予約番号は控えておきましょう。

入居手続

私は合格貰う時期が遅かったので学内寮には入れなかったので学外の部屋を借りました。(詳細は前回記事)

入国当日は大家がドアマットの下に鍵を置いておいてくれたので問題なく入ることが出来ました。

f:id:tkm2261:20180920010341p:plain

私の部屋は70歳ぐらいのお婆ちゃんが住んでる家の3部屋(キッチン無し)を貸し出しており、

  • 1階はprivate bedroom + private bathroom で月$735
  • 2階はprivate bedroom +大家を含む3人でbathroom共用で月$700となってました。

1階はすでにルーマニア人のポスドクが借りており、2階の1室を借りました。ただもう一部屋は空き部屋なので現状大家との共用のみです

ここに水道光熱費・インターネット・駐車場まで入っているので思ったより割安感があります。学内寮は月$800ぐらいして、家具の用意とかもあるので短期滞在の場合は学外寮のほうが良いかもしれません。

ルームメイトのルーマニア人も学内のポスドク寮は『別にジムとかプールとかBBQとかいらんし安くて静かなこの家の方が良い』とのこと。

ただし大学から5kmとちょっとあるので難しいところです。

手続としては、house ruleと賃貸契約の契約書にサインして終わりです。

この契約書は住所の証明書に使うので諸々手続きのときは持っていくと良いです。

シーツとブランケットを買いにTargetへ

入居したは良いもののベッドにはシーツとブランケットがないので、その日寝るためにシーツとブランケットを買い行く必要がありました。

大家に聞くと、Targetが良いとのことで徒歩30分かけて調達に行きました。

Targetはスタイリッシュドンキみたいな感じでスーパーにないものは大体揃うのでアメリカではお世話になると思われます

車輪のついた乗り物(最低限自転車)があると良い

アメリカ(特に郊外)では車が必須なのはそうですが、交差点が全て歩行者はボタンを押す形式になっており徒歩の場合は全ての交差点で止められるので予想以上に時間がかかります。

自転車の場合は車の信号に従えるので、車が無理でも早めに自転車は調達するとよいです。

私はルームメイトのお古を借りる事が出来てとても助かってますが、大学のフェアで自分のものを調達予定です。

reCycle Bike Fair

UCIの場合、大学の中古品売買ネットワークがFacebook上にあってそこでも買えるみたいなので先輩方に色々聞くとよいです。

あとカリフォルニアの場合ヘルメットは必須なのでこれもTargetで買っておきましょう。$20ぐらいでした。

銀行口座 & Venmoアカウントを作る

最初は日本から持ってきたクレジットカードも存分に役立ちますが、手数料が高いのでなるべくこちらでクレカかデビットカードを持つと良いです。あと支払で現金は基本ないです。

クレカはSSNがないと出来ませんが、デビットカードは口座開設後数日で郵送されてくるのでスグ持つことができます。

さらに米国ではP2P決済のVenmoが一般的になっており、飲み屋での割り勘の時とかはVenmoで幹事に送るのだったり、私の場合は家賃の支払で指定されたのでVenmoはなるべく早くセットアップした方がよいです。70歳の大家でも使いこなしているので個人間送金は日本でも早く流行るといいですね。

Venmoを使うのには米国での電話番号と銀行口座が必要なのでまず口座を作りに行きます。

口座を開設する銀行ですが、今はアプリが一番使いやすいChaseが良いようです。

必要な書類ですが、入国時にに持ってるものだけなので入国後はスグに作りに行くと良いです。

  • パスポート
  • I-20
  • 住所(覚えてればOK)
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 最初に入金する現金(最低$30ぐらい?)

銀行に入ってキョドってると話かけてくれるので、案内に従うだけです。

色々言われますが普通に作ると、Checking AccountとSaving Accountの2つが即日で出来ます。

Checking AccountはATMとかデビットカードとかの支払に使うやつで利子は付きませんが十分なお金を入れときましょう

Saving Accountは安全なのと利子がつくので授業料を日本から送金する口座にしています。

ただSaving Account -> Checking Accountの移動が月に6回に制限されてる程度なので、あまり深く考える必要はなさそうです。

VenmoはこのChecking Accountと紐付ければ使えるのでセットアップはスグです。Venmoは日本のアプリストアからは見れなかったりするので国を変えるのを忘れずに。

友人に会う

日本の大学と同じく、大学でのぼっちプレイは多大な困難を伴うので、なるべく友人を作っておきましょう。

私の場合は、同じ学科のPhDの先輩がいたので履修から何からとても助けて頂きました。

学生証の発行

UCI以外は知りませんが、UCIの場合は大学のbookstoreで学生証を発行できるものの、自分で行かないと行けませんでした。学期が始まると混むので余裕はがあるうちに行くと良いです。

New International Graduate Student: Post Arrival Checklist | Graduate Division | UCI

ここにはしっかり書いてましたが、見落としてたのでやはり友人は大事。

次はオリエンテーション

9/20のオリエンテーションに参加すると、いよいよ学期が始まります。

米国CS修士合格から渡米までの手続き諸々

こんにちは、tkmです。

今回は合格後からやったやったことを書いておきます。

UCIに限定される事も多そうですが、そもそもこの辺の資料がネットに無かったので色々残しておきます。

私もTwitter経由なので色々な方から教えてもらって何とか渡米直前までこれたので、あとに続く方々が楽になれば幸いです。

Statement of Intent to Register (SIR) の提出

合格メールと一緒にSIRの案内が来ます。Statementって付いてるとビビりますが、

入学する場合はaccpetにチェック入れて提出するだけです。

Statement of Legal Residence (SLR) の提出

これは多分カリフォルニア州だけっぽいですが、居住者かどうかの審査に使われるようです。

[授業のための居住者]は、普通に言われる居住者と定義が若干異なるらしく質問にいっぱい答えます。

よくわかってないで授業料の安い居住者を希望しましたが、もちろん認められず非居住者の授業料が請求されました。

l-20ドキュメントの提出

l-20は入学許可証と呼ばれるもので、大学にl-20ドキュメントを提出すると送られてきます。

これが無いと学生ビザの取得ができないので急いで提出しましょう。

実際のUCIの書類のフォーマットが↓です。

https://ic.uci.edu/forms/NewGradStudent-StudentForm2018.pdf

1年分授業料+生活費の残高証明

申請書類の他にl-20の取得にはパスポートと1年分授業料+生活費の残高証明の2つの資料を提出する必要があります。

必要な額は学部や年によって違いますが、私の場合はGRADUATE (STANDARD)なので$52,433を用意する必要がありました。

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全て現金である必要はなく、奨学金とかを貰えている場合はそちらでも大丈夫です。

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残高証明は銀行に行って『英語の残高証明下さい。』といえば1週間ぐらいでもらえます。私の場合は三菱UFJ銀行でした。

為替レートは変動するので預金額に余裕を持って取得しましょう。

あとこの残高証明書はビザ面接でも要求されるので捨てずにとって置きましょう。

l-20の配送手配

l-20ドキュメントの提出自体はネットでできますが、

送られてくるl-20自体はPDFではなく直筆のサイン入りの書類なので、国際郵便で受け取る必要があります。

この辺は大学によって変わりそうですが、UCIの場合はeShipGlobalというサイトで登録して、そのIDを書類提出時に記載して配送を手配しました。

https://study.eshipglobal.com/

学生(F-1)ビザ取得

l-20の書類を受け取ったらビザの取得をします。特別な事がなければF-1ビザだと思います。

↓のサイトを参考にすれば特に問題なく取得できると思います。

米国ビザ申請 | 学生ビザ - 日本 (日本語)

非移民ビザ申請書(DS-160)の記載

これもこの記事に従って記載すれば特に問題ないと思いますが、結構長いので余裕を持ってやると良いです。

あと数分記載がないとセッションが終わってしまうのですが、再開には最初に表示されるIDが無いと再開出来ないので、必ず控えておきましょう。私は3回ぐらい同じ事を書く羽目になりました。

米国ビザ申請 | DS-160 情報 - 日本 (日本語)

注意点としては一番最後に親族以外の身元保証を2人記載する必要があるので予め依頼をしておきましょう。

とくに米国大使館から連絡とかは行かないです。(変なことをしなければ。。。)

SEVIS費用の支払

ここで支払って、最後に表示されるI-901 SEVIS費確認書を印刷して持っていく必要があります。

SEVIS費用について | 在日米国大使館・領事館

5cm x 5cmの写真用意

5cm x 5cmが出せる証明写真機は少ないので探しておきましょう。確か司法書士用のやつが5cm x 5cmだったはずです。

(あれば)過去10年間に発行された古いパスポート

一応書いてありますが、なくてもいけます。

私も見つからずに持っていきませんでしたが、確認すらされませんでした。

ビザ面接

ここで面接の予約と申請費用の支払をします。

https://cgifederal.secure.force.com/?language=Japanese&Country=Japan

面接の内容については言っちゃいけない気がするので詳細は書きませんが、私の場合は5分ぐらいで終わったので緊張せずに行きましょう。

あと諸先輩方に頂いたアドバイスとして、『米国で働きたいとは言わないほうがよい』というのがありました。

学生ビザは学外での就労が禁止されているのと、その後の就労ビザが取れるとは限らないので、将来違法就労するかもと疑われて良くないようです。

TA/RAやインターンをやるつもりでも、お金のことを聞かれたら変なことを言わずに『親に借ります。』というのが良いようです。(まるっきり嘘は駄目ですが)

あと、残高証明書やここまで使った書類は全て持っていったほうが無難です。人によってはCVを要求されたという噂も聞きましたが私は求められませんでした。

面接が終わるとパスポートは回収されて、その後ビザが添付された形で自宅に郵送されてきます。

家探し

UCIではPh.D.学生は学内寮 (On-Campus housing)が基本保証されており、ここから申し込むと部屋を借りることができます。基本的にシェアルームなので予算応じてシェア人数や間取りを 選ぶと良いです

https://housing.uci.edu/apply/How_To_Apply.html

ただ私の場合はMasterなのと合格を貰ったのが遅い時期だったのでwaiting listに載ったまま学内寮に入ることは出来ませんでした。

学外の部屋を借りる

UCIの場合はOff-Campus Housing Networkなるものが整備されており、そこから部屋を借りることが出来ました。

https://offcampus.housing.uci.edu/

ログインすると部屋の検索とルームメイト募集の掲示板にアクセス出来ます。

基本的にルームメイト募集しているところで借りるほうが安いですが、ルームメイトがいなくなった時に自分が探す側にならないと行けないのが面倒で普通に大家から借りました。

私の場合は、private bedroomの確保を最優先にした結果、キッチンなし大学から5kmバストイレ共用で月700ドルの部屋を借りることになりました。

契約と家賃の支払

家の契約には12 month leaseやMonth-to-Monthなどがあり。12 month leaseとかでも30日前(契約による)とかに通告すると出ていく事が出来ます。12ヶ月は追い出されないということですね。

あとは部屋を又貸しするsubletとかもあるので、安いからといって安易に契約すると契約通りにMove-out dayで追い出されるので注意しましょう。

契約が成立すると、大体の場合にデポジット家賃1ヶ月分+入居月家賃+退去月家賃の合計3ヶ月分のお金を支払います。

米国だと銀行振込の手数料が高く、VenmoやPayPalでの支払が多いようです。Venmoは米国の銀行口座が必要なので、私はPayPalをとりあえず使っています。

予防接種

入学が近づくと恐らく予防接種の履歴の提出が求められます。

UCIの場合は最初の秋学期は予防接種が全て打ててなくても履修できるのですが、冬学期の履修登録が出来なくなるので日本で予め受けていったほうが無難です。

一緒に打てるワクチンもありますが、ものによっては4週間空けないる必要があるので、最低でも渡米2ヶ月前には母子手帳を持って医者に行ったほうが良いです。

あと米国は麻疹風疹には厳しいようなので、合格が決まった瞬間に麻疹風疹は受けてしまっても良さそうです。

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日本で間に合わなくても米国で受けることもできます。米国だと医療費が怖いところですが、学生は大学の医療保険に普通は入るのでそこまで高くないようです。

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予防接種は日本でも保険外なのでこんなもんですね。

履修登録

ここは大学によりますが、大体6月ぐらいから秋学期の履修登録が始まるので早めに履修登録しましょう。

人気授業は結構すぐ埋まります。

TA/RAの申込

7月ぐらいにメールが来て希望する学生は登録をします

UCIの場合はTAはTOEFL speaking 26点以上 or 大学の英語のテストに受かる必要があるので日本からの留学生は出来ない場合が多そうです。

そのかわりReaderと呼ばれる採点とかのRAはできるみたいで、Ph.D.の学生はこの仕事が保証されているようです。

だいたい月1,000ドルぐらいの仕事のようなので、お金の無いMasterの私でも出来ることを祈っています。

とりあえずSkillのところにKaggle Masterと書いておきました。

授業料の支払

ここも大学によるでしょうが、UCIだとinternational paymentはここから払えと案内されました。

WU GlobalPay

記載していって最後に出てくるPDFを銀行に持っていくと支払ができるようです。

UCIの場合は9/17が支払期限だったので余裕をもって支払いましょう。

新入生オリエンテーションへの参加

最初の大学行事として、9/20に設定されてました。これも年や大学によって全然違いそうです。

これに間に合うように渡米すれば良さそうです。